幸せなひとりぼっち2016/11/01

幸せなひとりぼっち
「幸せなひとりぼっち」 ユーロライブ(試写会)
愛する妻に先立たれ、1人暮らしの気難しい老人オーヴェ(ロルフ・ラスゴード)。長年勤めた会社をクビになり、自殺を決意。そんな折りに向かいの家にパルヴァネ(バハー・パール)の一家が引っ越してきて、車をオーヴェの家の郵便受けにぶつけ、自殺どころではなく、文句を言いに飛び出していく。そのパルヴァネは2人の娘がおり、妊娠中。迷惑をかけたとペルシャ料理を持ってきてくれた。その後、何かと問題を持ち込んできて、オーヴェを頼ってくる。オーヴェは不機嫌に対応するものの、近所同士の交流が芽生えていく…。
スウェーデン映画。自殺をしようとすると邪魔が入り、時にコミカルに感じるところも多くて笑ってしまいます。反面、オーヴェの過去の物語、特に妻ソーニャとの美しくも悲しい物語では、涙が出てしまいます。
オーヴェはむすっとしてばかりなのに、パルヴァネの娘たちにはなつかれているし、修理が得意で本当のおじいちゃんみたいな存在になりつつあったのかも。
近所同士のつながりは、口うるさい人がいても、皆顔見知りで、時には助け合っています。パルヴァネが来たことで、オーヴェも巻き込んで、良い関係が築かれているようにも思います。現代の日本では失われつつあるような人情がありました。
主役のロルフ・ラスゴードは、私の好きな「太陽の誘い」に出ていた人で、どこかで見たことあると思っていました。
オーヴェの若い頃の役を演じた人と奥さんのソーニャも魅力的でした。あと猫がとても印象的で、いい味を出しています。
オーヴェが小さい頃に母を亡くし教会で葬儀をした後に、その教会では結婚式もあって、なんだか人生はこのように続いていくとしみじみと思わせました。赤ちゃんが生まれ、亡くなる人もいる。単にいなくなるというだけではなく、想いや精神は引き継がれていると思えるのです。そんなことを思わせることが多かったです。
泣けちゃったけど、幸せな気分にもなる映画でした。

★★★★☆ 4+

公式サイト
  ↓
http://hitori-movie.com/

「幸せなひとりぼっち」トークイベント2016/11/01

「幸せなひとりぼっち」試写会終了後にハンネス・ホルム監督とLiLiCoさんのトークイベントがありました。
原作は有名なベストセラーらしいですが、原作読んでいる人たちが、この映画もすごく良気に入っているとLiLiCoさんがおっしゃっていました。
登場する猫はそっくりな2匹を使っていて、性格の違う2匹をシーンによって、使い分けているのだそうです。アクティブな猫とおとなしく寝ているタイプの猫みたいです。
他にもいろいろ話が聞けて、楽しかったです。
すっかり遅くなってしまって、ハロウィン当日の渋谷に出たら、仮装している人がいっぱいいて、満員電車のようで、なかなか前に進めなかったです。