ボックス!2016/10/01

ボックス!
「ボックス! 上・下」 百田 尚樹・著 講談社文庫
高校のボクシング部に所属する鏑矢は、お調子者だが天才的なボクシングセンスを持っており、試合でも連戦連勝を収めていた。一方、鏑矢の幼なじみで気弱な優等生の木樽も、鏑矢に憧れてボクシングを始める。
高校3年間で八冠を獲ると豪語する鏑矢だが、最強の男・稲村が立ちはだかる。そして、努力を重ねる木樽も、実力をつけていく。
この本の語り手は、成績優秀で授業料免除の木樽と、若い女性教師の耀子。鏑矢の活躍もあって、ボクシング部の顧問を増やすことになり、耀子が頼まれます。ボクシングのことはよく知らなかったが、間近で部員たちに接するようになっていきます。耀子がルールを知っていくのと同様に、読者も説明を受けて、わかりやすかったです。最強の敵を倒すことができるのか、幼なじみ2人の関わりがあればこそ、運命は変わっていきます。とても面白かったです。プロとアマチュアの違いや、高校ボクシング界のことがよくわかりました。おそらくボクシングに興味がない人でも、楽しく読めると思います。