山河ノスタルジア2016/05/19

山河ノスタルジア
「山河ノスタルジア」 Bunkamuraルシネマ
1999年、2014年、2025年と3つの時代で描かれた、人間ドラマ。タオ(チャオ・タオ)に思いを寄せるジェンシン、リャンズー。3人は幼なじみだったが、事業で成功したジェンシンのプロポーズを受けて結婚。リャンズーは故郷を離れる。タオは男の子を出産ダラーと名付ける。2014年、離婚していたタオは、父親と暮している息子と数年ぶりに一緒に過ごす。しかし、元夫と息子はオーストラリアへ移住することを知る。
2025年ダラー(ドン・ズージェン)は、中国語はほとんど話さずに成長し、父親とも意志の疎通がとれなくなっている。かなり年上の中国語の教師ミアと出会い、心をかよわせる…。
人生はままならない。見ている方も、もっとこうしたらいいのに、こうなってほしいという方向を裏切りながら進んでいってしまう。自分も含めて、思い通りに生きている人なんているのだろうか。それほどハッピーなこともないのだけど、タオや息子の人生に寄り添って見ていたくなる。リャンズーはどうなったのかももっと知りたくなった。人生の一部分だけを見せて、その間に起きたことは想像させる。
たくさんの手作り餃子が、母の愛を伝えている。その時はわからなくても、母の想いは届いているのだと思う。しかし、あの餃子おいしそうだった。食べてみたいな。
オープニングとエンディングがつながっているような映画って好き。ハツラツとして、未来が開けていた若い頃と、対象的な最後だった。

★★★★☆ 4