さざなみ2016/04/23

さざなみ
「さざなみ」 シネスイッチ銀座
結婚45周年のジェフ(トム・コートネイ)とケイト(シャーロット・ランプリング)は、田園の一軒家で仲睦まじく暮らしていた。だが、一通の知らせが異変を起こす。雪山で遭難したジェフのかつての恋人の遺体が、氷のなかから発見されたという。呆然とする夫。これをきっかけに夫は過去の恋人のことを反芻して思い出しているようだ。ケイトの心にさざなみが起こる。ケイトにとっては、ふたりが積み重ねた長い年月を覆すような出来事だった。
長年連れ添った夫婦の、穏やかな日常がガラガラと崩れていきます。夫と妻の男女の考え方の違いがあきらかになりました。言葉は少ないけど、しぐさや表情でケイトの心情がひしひしと伝わってきました。シャーロット・ランプリングは、すばらしいです。お年を召してもステキです。
発見されたのは自分とつきあう前の恋人で、ケイトの知らない女性。でも、夫の心にはずっと住みついていたことを知ってしまうことが不幸です。愛しているがゆえの激しい嫉妬でもあるのです。若くして亡くなって、彼の心に刻み込まれてしまっているのです。
イングマール・ベルイマンの「ある結婚の風景」という映画を、遠い昔に名画座で見たのだけど、当時はサッパリ意味がわからなかったですが、今見たら違うのだろうなと思います。なんだかその映画を思い出しました。

★★★★☆ 4-