この君なくば2016/01/29

この君なくば
「この君なくば」 葉室 麟・著 朝日文庫
九州・日向の伍代藩。軽格の家に生まれた楠瀬譲は、恩師・桧垣鉄斎の娘・栞と惹かれあっている。蘭学に秀でた譲は、藩主・忠継の密命で政情を探るために京へ旅立つ。やがて栞の前には譲に想いを寄せる娘・五十鈴が現れる。
幕末維新を背景に、男女の絆を描いています。幕末のロマンスです。ライバルとなる五十鈴は、華やかで負けず嫌いな女性。利発で自信に満ちていますが、嫌味はなく魅力的です。栞は多くを主張しないですが、ずっと想いを抱いて待ち続けます。それが届くのかどうかと気になりました。
歌会を開く様子が何度か描かれていますが、風流で良かったです。
葉室麟の作品の中では、女性向きだと思わせる本でした。良かったです。