水曜日のうそ2015/01/31

水曜日のうそ
「水曜日のうそ」 クリスチャン・グルニエ・著 講談社
毎週水曜日に近所に住んでいるおじいちゃんがやってくる。15歳のイザベルはおじいちゃんのことが大好きだが、おじいちゃんの息子である、イザベルの父は、そんなに楽しくなさそうだ。
ある日、その父の仕事の都合で、引っ越すことになる。おじいちゃんに言っても一緒に引っ越すはずがないし、いっそのことこっそり引っ越して、水曜日の習慣だけを続けようということになる。孫娘一家はリヨンへ。TGVで水曜日だけパリに来て、おじいちゃんに30分だけ会うという生活を始める。うそをついているのだが、おじいちゃんにもうそがあった…。
1つの家族とその周辺の人々の話なんだけど、いろいろな世代が登場し、人間の一生を感じさせます。身体が思うように動かなくなったおじいちゃん、思春期真っ盛りのイザベル。働き盛りでいつも忙しい父。愛情がないわけじゃないけど、どうしても親にぞんざいに接してしまう。もっと話を聞いてあげるべき時間なのに、おじいちゃんが同じ昔話ばかりするし、身体の愚痴しか言わないからすぐにさえぎろうとしてしまいます。こういう人たちはとても多いと思います。別れがきてから、もっと話しておきたかったと後悔するものなのではないでしょうか。
読みやすい本でした。フランスの習慣や生活ぶりがうかがえます。