嗤う分身2014/11/20

嗤う分身
「嗤う分身」 シネマライズ渋谷
地味な青年サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、向かいのアパートに住む同僚のハナ(ミア・ワシコウスカ)に憧れていて、望遠鏡でいつも彼女を覗いていた。ある日、職場にサイモンと瓜二つのジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ2役)が、入社していくる。同じ姿なのに、彼は優秀で評価され、女性にもてる。サイモンが提案しても認められないのに、ジェームズが言うと、素晴らしいと賞賛され、手柄も横取りされてしまう…。
まさに実存主義を感じさせる映画でした。原作はドストエフスキー。おかしなことが起こっているのに、皆何も気にせず、同じ顔のジェームズを受け入れている。同じ顔でも全く違う性格を演じ分けるジェシー・アイゼンバーグはさすがだし、ちょっと暗めの映像にホリの深い顔が映えます。不条理の中にほうりこまれて、右往左往する主人公。それはまるで自分で自分を苦しめているようです。自分の中の別な性格が現れているようにも感じます。
好みが分かれるかもしれないけど、私はとても面白かったです。映像も独特です。近未来のようでもあるし、昔っぽい感じもします。昭和歌謡が使われているのも、日本人として嬉しいです。選曲もいい!
外国の人が映画を見て、音楽を聴いたら、エキゾチックな雰囲気がすると思います。製作総指揮はマイケル・ケインなんですね。

★★★★☆ 4