いのちなりけり2014/11/18

いのちなりけり
「いのちなりけり」 葉室 麟・著 文春文庫
中心となるのは、1組の夫婦で、名門の娘・咲弥の再婚相手として、父が選んだ入り婿が雨宮蔵人。美しく知性ある咲弥は、無骨な蔵人に難題を持ちかけ、夫婦の関係を拒否。その後、咲弥の父が殺され、蔵人は逐電。何年も離れて生活しながらも、蔵人の人柄がだんだんとわかり、咲弥に寄せる蔵人の深い思いを知り、心を通わせていきます。藩内の確執や綱吉と水戸光圀の対立など、いろいろな事件が絡み合っています。人間関係も名前も難しいので、正しく理解できていないのだけど、すごく面白かったです。
蔵人の人間的な魅力が、伝わってくるからでしょうか。剣術はメチャメチャ強くて、痛快でした。この時代の武士って、辛いことが多いなぁと思います。現在も政治や会社で派閥とかあるけど、命まで差し出す必要がないですよね。この時代は暗殺を命令されたり、その後、証拠を隠すために命を狙われたり、罪をかぶせられたりと、ほんとに大変な時代だと思います。
こういう政治的なことや、剣豪アクション、ラブストーリーもあり、盛り沢山の小説でした。