あい 永遠に在り2014/11/09

あい 永遠に在り
「あい 永遠に在り」 髙田 郁・著 角川春樹事務所
藩医師、戊辰戦争における野戦病院での功績、73歳にして北海道開拓を志した医師・関寛斎。その傍らで、彼を支え続けた妻のあいの視点を通して描く。幼い頃の出会いから、幕末から明治の激動の時代を乗り越えて、波乱の生涯を描いています。
あとがきを読んで関寛斎が実在の人物だと初めて知りました。妻のことは、それほど資料があるわけじゃないので、著書が想像を膨らませて創作したもののようですが、とても良い話でした。
決して、でしゃばらず、働き者で、苦しい状況を明るく乗り越えていく女性です。ポジティブブシンキングな妻のおかげで、寛斎も頑張れたという話でした。
日本の中を転々としているので、この時代は、こうだったのかぁと、勉強になります。北海道は、その昔はこんな風に開拓の苦労があったのかぁとか、千葉県の東金や銚子などの様子は、知っているだけに興味深いです。徳島県での生活、国内を移動するのにも何日もかかった時代です。
ちょっと時代は違いますが、シニアマンションにお住いの知人(友人)は確か85歳、四国で生まれ、小さい頃に満州にいて、引き上げて来た話を先日、聞いたので、この本を読んでいると、その方の人生も波瀾万丈だったろうなぁと、重ねてしまいます。
生まれた時から安穏と生活できる時代だった自分たちは、甘いなぁと思います。