グレート・ビューティー 追憶のローマ2014/09/09

グレート・ビューティー
「グレート・ビューティー 追憶のローマ」 Bunkamuraル・シネマ
過去の傑作の1冊だけで富を得たベストセラー作家のジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルビッロ)65歳は、夜ごとセレブが集まるパーティーに参加する毎日。乱痴気騒ぎに興じながらも、虚無感が彼を支配している。忘れられない初恋の人の訃報、富を得ながらも虚しさををかかえ、ローマの街をさまよっている…。
オープニングから美しい旋律と映像で、惹きこまれていきます。詩のようなセリフや哲学的な言葉が難しいんだけど、とにかく心地良くて、飽きないんです。もっと主人公の若かりし頃の思い出や、彼女の死後に真実が明らかになるとかいう内容なのかと思ったら、そうでもなく。ジェップの日常とローマの風景などが映し出されるのです。ジェップは常に仕立ての良いスーツを着ていて、落ち着きはらっています。神聖な歴史あるローマと、世俗的なローマが対比するように出てきて、どちらも美しく、見たことないローマという感じなんですよね。ローマには行ったことがあるけど、全く新しいローマに思えました。主人公の心の漂流を追っていく作品でした。
第86回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品です。なるべく受賞作品を見るようにしていますが、本当にいつも私好みなんです。後から気がついたけど、パオロ・ソレンティーノ監督は「きっと ここが帰る場所」を監督した人だったのです。この作品も風景が美しかったし、大好きです。「グレート・ビューティー 追憶のローマ」は、終わらないでいつまでも見ていたいような作品でした。

★★★★☆ 4+