ダブリンの時計職人2014/05/13

ダブリンの時計職人
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ロンドンで失業し、故郷のアイルランド・ダブリンに帰って来たフレッド(コルム・ミーニイ)は、仕事も家もなく、車上生活を余儀なくされる。同じ駐車場にやって来た青年カハル(コリン・モーガン)と知り合ったことでフレッドは次第に新しい自分を発見していく。カハルに教えられて公共のプールに行くと、ピアノ教師のジュールスに一目ぼれ。ジュールスと話すようになっても、自分がホームレスであることを打ち明けられない。カハルの抱えている問題も深刻になってきている…。
くたびれた中年フレッドは、落ち込んだ日々を過ごしているけど、朝起きて、音楽をかけて歯を磨き、植物に水をやる、几帳面で真面目な人だということがわかります。ここに描かれているのは、ダブリンの厳しい就職事情や、ドラッグから逃れられない若者、決して明るい話じゃありません。でもやるせない気持ちを、前向きにする想いが伝わってくる、温かい映画でした。
荒涼とした寒さ厳しそうな暗い風景が多いけど、その風景がとても美しいのです。街の夜景も印象的です。そして美しい音楽に彩られています。
セリフではあまり語らないけど、主人公の心情が、手に取るようにわかります。誇り高い人なんだけど、不遇な状況を恥じています。時には見栄をはってしまったりもします。コルム・ミーニイは「ワンチャンス」でポール・ポッツのお父さん役でした。
カハル役のコリン・モーガンは繊細で愛すべきキャラクターを好演です。ちょっとベネディクト・カンバーバッチを彷彿させます。
あ~良い映画観たなぁ。

★★★★☆ 4+