コーヒーをめぐる冒険2014/03/25

コーヒーをめぐる冒険
「コーヒーをめぐる冒険」 シアターイメージフォーラム
ベルリンに暮らす青年ニコ(トム・シリング)は、朝コーヒーを飲みそこね、ツイてない1日が始まる。ニコの行く先々で、クセのある人たちが次々と現れる…。
不運が続いていくのだけど、コメディのようにも感じます。
全編モノクロームの作品で、ベルリンの街が古めかしくも見えて、昔の映画を観ているような気になります。夜のシーンなんかは幻想的だし、ベルリンの街ってカッコイイな。おばあちゃんが1人出てくるのだけど、とってもチャーミングなんです。
ニコは親に内緒で大学を中退していて、決して誠実な人でもないようです。いわばモラトリアム人間で、大人の責任を引き受けるつもりもないし、今後どうしていこうとも考えてもいないようです。でもこういう気持ちや、時期は誰にでもあると思うし、微妙で複雑な心理を、ちょっとした表情で見せてくれて、共感できてしまうのです。言葉は少なめです。
原題は「Oh Boy」だったので、コーヒーをめぐる冒険とは違うのだけど、ニコは何度もコーヒーを飲みそこねるという話なんです。お酒は飲むけど、コーヒーにいつもありつけず、そこがおかしみを誘います。果たしてニコはコーヒーを飲めるんでしょうか。それは本編を観てくださいね。
モノクロ映像のせいか、ジム・ジャームッシュ監督をつい思い浮かべてしまうのだけど、似ているところがあります。不幸続きだけど、おかしいところはアキ・カウリスマキ監督っぽいです。
主人公は、若い頃のジャン=ピエール・レオーにも似ているし、ヌーベルヴァーグやジム・ジャームッシュが好きな人はハマると思います。私は大好きです。

★★★★☆ 4+

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