黒いスーツを着た男2013/09/24

黒いスーツを着た男
「黒いスーツを着た男」を観てきました。
社長令嬢との結婚を10日後に控えた青年アル(ラファエル・ペルソナ)は、深夜のパリで男を轢いてしまう。友人らに促されて、その場から逃走してしまうが、向かいの家の住人ジュリエット(クロチルド・エム)が目撃していた。翌日、被害者の容態が気になって病院を訪れたジュリエットは、昏睡している被害者とその妻ヴェラに対面する。ヴェラはジュリエットを頼ってくる。アルは後悔にさいなまれ、被害者の様子を見に行く。その姿を目にしたジュリエットがアルを追っていく…。
3人を中心にスリリングな心理描写がみごとな映画です。
成功を目の前にして、罪を背負ってしまう男、目撃者だけどアルに同情してしまうジュリエット。犯人を許せないヴェラ。どうしようもない状態なのに、運命的に惹かれあってしまう男女。そんなことないだろうと思うかもしれませんが、普通の心理状態ではないゆえに、交錯していきます。昔のフランス映画のように、哀愁とやるせなさが残るサスペンスでした。アル役のラファエル・ペルソナがかっこよくて、いつも黒いスーツを着ている姿が印象的なんです。フランスの階級差や不法移民の問題などが、浮き彫りになっています。

★★★★☆ 4