オレたちバブル入行組2013/09/04

オレたちバブル入行組
「オレたちバブル入行組」 池井戸 潤・著 文春文庫
大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようとする支店長に対し、半沢は反旗を翻す。果たして債権回収なるか。
ご存知、ドラマ「半沢直樹」の原作です。流行しているので友人が貸してくれましたが、私はドラマは見ていません。
冒頭で大学生である主人公の就職活動の様子が書いてあって、バブルの時は良い学生を他の企業に取られる前に押さえたい会社ばかりで、多くの人が例え優秀でなくても仕事がいっぱいあったような気がしました。自分で経験があるわけじゃないけど、そうだ前はこんな感じだったと思ったのです。就職難にあえぐ現在の大学生とはずいぶんと違った時代になったものです。
ドラマは原作よりも、おそらく大袈裟に面白く演出しているのだと思います。シビアな企業内の戦いを描いています。そんなに難しく書いてないので、銀行の仕事がわからない私でも読みやすいです。でも、男の世界というか、お仕事小説なんで、私は痛快とは思えません。むしろ、銀行で働く人って大変だなぁと思うし、自分の通勤時間に企業の中のイザコザを読むということが、あまり楽しいことじゃなくて、なかなか読み進みませんでした。江戸時代に藩の中で、目ざわりな人間を失脚させる為に、陰謀が渦巻いているような時代ものみたいです。詰め腹を切らされるとか、島流しとか、会社ってその時代とあまり変わってない所もありますよね。実際に切腹がないからいいけど、昔は罪を着せられて、切腹した人っていっぱいいたと思うんですよね。言われなき罪を払拭し、信頼を取り戻すことの爽快さは良いと思うのですが、そこにたどりつくまでが苦しい気もしました。
続けて「オレたち花のバブル組」も読みます。

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