晴れときどき涙雨2013/06/07

晴れときどき涙雨
「晴れときどき涙雨 髙田郁のできるまで」 髙田 郁・著 創美社
みをつくし料理帖シリーズの著者・髙田郁(かおる)さんは、川富士立夏という名前で漫画原作者の仕事をしていました。その頃から4年半に渡って「オフィス・ユー」に連載していたエッセイです。後半は時代小説が出版されている頃で、電車の中などで、自分の本を読んでいる人をみつけたりもします。交通事故で思うように手が動かくなったり、阪神淡路大震災があったり、著者をとりまくいろいろなできごとが描かれています。漫画原作者として取材で出会った人々に対する温かいまなざしや、親切を受けたことに深く感謝している姿勢は、読んでいる方も感動してしまいます。こういう人だから、編集部の人たちも応援してくれるのだろうなと思います。小説を読んでも人柄は想像できるかもしれないけど、エッセイはもっと著者の素顔がのぞけます。小説は面白くてもエッセイは別という場合もありますが、この本はすごく良かったです。

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