桜ハウス2012/02/19

「桜ハウス」 藤堂志津子・著 集英社文庫
伯母から一軒家を相続した蝶子は、大家として3人の女性とハウスシェアを始めた。それから10年が過ぎて、当初のメンバー4人が久しぶりに集まった。2人が今は他のところで生活しているが、年齢も性格も違う4人の女性は不思議とウマが合い、つきあいが続いている…。
蝶子46歳、遠望子41歳、綾音36歳、真咲31歳と年齢差があるけれど、同じ家での生活を経験したせいか、ただの友達よりも、姉妹のような家族のようなつきあいになっています。結婚や出産もあった人もいるけど、現在は皆が独身になっていて、変なライバル心はないし、お互いに思いやることができて良いと思いました。皆が集まることができる家があり、お料理を作ってくれたりして、ひとり暮らしよりも安心できる下宿生活ですね。でも、親の介護問題なども出てくる年代。恋愛や結婚のことを思い悩むというよりは、そういうことがすでに通り過ぎている人もありますが、現実味のある小説でした。面白かったです。

キツツキと雨2012/02/19

キツツキと雨
「キツツキと雨」を観てきました。
のどかな山村で林業を営む克彦(役所広司)と、その村にやって来た映画の撮影隊。ひょんなことから手伝うことになってしまった克彦は、気弱な映画監督の幸一(小栗旬)と出会い、不思議な交流が生まれる。映画はやがて村と撮影隊の奇妙なコラボレーションとなっていく。幸一は気弱な性格で、およそ監督らしくないのだが、克彦に出会ったことで変わっていく。
役所広司さんは、普通のおじさんを演じてもすごくかっこいいです。爆笑はないけれど、ほんわかできる映画で、観ている間ずっと楽しかったです。ゾンビ映画なので、協力してくれた村の人々が、そのまま仕事したりして、ゾンビだらけの村になっているのが、また可笑しかったです。役所さんが作る朝食やお弁当が、すごーくおいしそうでした。
温泉のシーンで小栗旬の体がきれいすぎて(ちょっとマッチョ)、あまり気弱な青年に見えないのが惜しいかな。でも、演技は良かったです。こういう若者って、いそうだなぁって感じ。共通点もなさそうな、おじさんと現代的若者が、だんだん距離が近づいていく様子をニマニマして、見ちゃいます。

★★★★☆