メアリー&マックス2011/05/11



「メアリー&マックス」を観てきました。
シュールでブラックな大人向けクレイアニメーションだ。主人公メアリーは、オーストラリアに住む8歳の女の子。飲んだくれで万引き癖のある母親と鳥の剥製を作るのが趣味の父親と暮らしている。メアリーは容姿にコンプレックスがあり、友達がいない。ある日アメリカ人へ手紙を出そうと思い立つ。電話帳でみつけたニューヨークのマックスへ手紙を送ってみる。その返事がきて文通が始まるのである。マックスは対人関係に問題のある44歳。社会になじめず、友達はなく、肥満気味。途中、紆余曲折はあるものの文通は、20年におよぶ。観客は心温まるお話を想像するのだが、その予想は次々と裏切られ続けて、不思議な味わいのラストに辿りつくのである。
人形の造形も、あまり可愛いとは思えないかもしれない。メアリーはセピア色で、マックスはモノクロ、独特の世界観の中で、手紙の内容を読むナレーション中心に話はすすんでいく。でもでも、つまらないわけじゃない!いやむしろこの人形たちが、どんどんステキに見えてきてしまう。そんでもって、感動さえしてしまうのだ。私なんて、泣いてしまった。
人間は完璧じゃないというマックスの言葉にハッとさせられるのだ。
声の出演がトニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン、エリック・バナとナイスキャスティングだ。

★★★★☆

マックスの言葉
人の苦悩を消す魔法の薬なんてないんだ 君は完璧じゃない もちろん僕も 欠点は選べない でも友達は選べる