イリュージョニスト2011/04/05

イリュージョニスト
「イリュージョニスト」を観てきました。
1950年代のパリ。主人公は、古典的なマジックをする手品師のタチチェフ。
かつては人気者だったが、今は流行遅れで、三流劇場を回る日々。
スコットランドの離島での仕事が決まり、小さなバーでマジックを見せると村人から喝采をあびる。そのバーで働く娘アリスはタチチェフのことを“魔法使い”と思いこむ。島を離れる日にアリスは勝手にタチチェフを追ってきてしまい、いきがかり上、次の仕事先のエジンバラに、アリスを連れていくことになる。2人は言葉があまり通じないので、アリスに魔法使いじゃないことを、うまく伝えられずにいる。アリスは身の周りのことをやってくれるのだが、欲しいものをお願いしたりもする。タチチェフはかつて失った娘をアリスに重ね合わせて、彼女の望みをかなえてあげる…。

監督は「メルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメ、脚本はジャック・タチ。
映画館のシーンではジャック・タチの姿が映し出される。タチチェフはジャック・タチの風貌によく似ていることがわかる。詳しい人には最初からわかるだろうけど、主人公はジャック・タチをイメージしているのだ。後で調べてみると、ジャック・タチの本名はジャック・タチシェフ。この映画は監督がジャック・タチに捧げるオマージュなのだ。セリフが少ないところなど「ぼくの伯父さん」のような味わいがあります。
人生の悲哀ときらめきを、詩情豊かに優しく綴っています。
「メルヴィル・ランデブー」と比較すると、ちょっとパンチは足りない気もするけど、漫画アニメを観たというよりはアート鑑賞をした気分です。

★★★☆☆

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