三匹のおっさん2011/03/16

三匹のおっさん
「三匹のおっさん」有川浩・著 文藝春秋
主人公3人(匹)はもともと幼なじみで、近所に住む飲み友達。還暦を迎えるとはいえ、まだまだ若い者には負けないほど元気。そのうち2人は武道の達人、もう1人はメカに強い。
町内に起こる様々な事件を聞いては、その解決に力を合わせる。痴漢や詐欺事件など、高校生の孫と娘も加わって、地域の安全を守っている。

すごーい面白かったです。3人のキャラクターの描きわけが素晴らしいのです。会社を定年退職、剣道の師範でもある通称キヨ、居酒屋の亭主で今は息子に代を譲った柔道家のシゲ、おとなしそうなだけど、キレると怖い頭脳派のノリ。キヨの孫の祐希はチャラい雰囲気ながら、3人の活躍を見て一目置くようになる。生真面目なジーサンとイマドキの高校生で、あまり接点もなかったのだが、キヨは定年後の嘱託勤務で祐希のバイト先に出向してくる。そのうちに、祐希がキヨにファッションのアドバイスをして、ジジ臭い服装からカジュアルな雰囲気に変えてあげるし、口では文句を言い合いながらも、お互いを認め合う良い関係になっていきます。
表紙と挿絵を描いているのが漫画家の須藤真澄さん(大好き!)で、話にとてもマッチしています。そのせいもあって漫画を読んでいるように、あっという間に読めてしまいます。
ドラマ化しても面白いのになぁ。1話完結形式で、6話の話が入っています。なんか、現代的な必殺仕事人みたいな雰囲気もするんですよね。時代劇っぽい要素のある下町人情ものです。NHKドラマ10の枠にいいんじゃな~い?