2023年映画ベスト102024/01/01



1位 PERFECT DAYS
2位 エンパイア・オブ・ライト
3位 枯れ葉
4位 ポトフ
5位 ライオン少年
6位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3
7位 生きるLIVING
8位 CLOSE/クロース
9位 アンダーカレント
10位 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

93本観に行きました。

ポトフ2023/12/31



「ポトフ」 シネスイッチ銀座
19世紀、フランスの田舎町。「食」を追求し芸術にまで高めた美食家ドダン(ブノワ・マジメル)と、彼が閃いたメニューを一緒に再現する料理人ウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)。2人は料理への情熱で深く結ばれている。しかし、ウージェニーが倒れてしまう……。
料理がとても凝っていて、手間をかけた美味しそうなフランス料理がたくさん登場します。料理だけじゃなく、自然がとても美しいです。
ウージェニーの事が大好きなドダンの行動が素敵です。満ち足りていて、至福な毎日なんだと思いました。
ジュリエット・ビノシュの料理を作る所作が良かったですし、ファッションも良いです。そして色気もありました。
トラン・アン・ユン監督は、いつも映像美にうっとりします。この作品は、2023年カンヌ映画祭で最優秀監督賞を受賞しています。前作「エタニティ永遠の花たちへ」も、同じような時代の話でしたが、私は今作「ポトフ」の方が良かったです。監督も美食家なんでしょうね。ブノワ・マジメルが、太っていたのでびっくりしました。役作りなんだろうか。

★★★★☆ 4+

窓ぎわのトットちゃん2023/12/27



「窓ぎわのトットちゃん」TOHOシネマズ六本木
落ち着きがなく、問題を起こしてばかりのトットちゃんは、小学校を退学になってしまう。新しい学校は、トットちゃんの個性を大切にしてくれるおおらかな教育方針。出会いもあり、のびのびと学校に通い始める。
パーフェクトすぎない、柔らかなタッチの絵がきれいでした。空想もあるし、トットちゃんの目線が、無邪気で好奇心いっぱいです。校長先生が役所広司で、豪華です。実話なんだなあと、しみじみ観ましたが、ちょっと眠くなったところもありました。

★★★☆☆ 3+

ウィッシュ2023/12/25



「ウィッシュ」TOHOシネマズ新宿 字幕版
どんな願いもかなうと言われているロサス王国。魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は、国民から慕われているが、17歳のアーシャは秘密を知ってしまう。王を信じて願いを捧げている国民たちに対し、ほとんどの願いはかなえられないという。願いを救いたいと夜空の星に願ったアーシャのもとに、スターが舞い降りてくる。スターの魔法によって話す事ができるようになった子ヤギのバレンティノや、仲間とともに、アーシャはみんなの願いの為に、王に立ち向かう。
アーシャは魅力的なキャラクターで、ミュージカル仕立てのディズニーアニメでした。悪いわけじゃないけど、ストーリーが薄い気がしました。ディズニー100周年記念作品と言う事で、期待し過ぎていたかもしれません。「アナと雪の女王」ほどではないかなぁ。クライマックスの力強い歌声は良かったです。

★★★☆☆ 3+

ナポレオン2023/12/20



「ナポレオン」 TOHOシネマズ新宿
若き軍人ナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)は、目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。ナポレオンは未亡人のジョゼフィーヌ(バネッサ・カービー)に出会い結婚する。ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に、ジョゼフィーヌは奔放な一面があり、夫婦関係に影を落とす。一方では、快進撃を続け、フランス帝国の皇帝に上り詰める。ジョゼフィーヌも皇后となり、優雅な生活を送るが、2人は満たされず、ナポレオンは侵略と征服にのめり込んでいく。
ナポレオンは有名だし、絵画にも多く残されていますが、実際はどんな人だったのか、よく知らなかったです。英雄とも言われているし、奥さんの事が大好きだったと言う逸話も有名です。映画は、奥さんとの関係も詳しく出てきました。ナポレオンの指揮で、多くの戦死者が出たのは事実です。最後は戦場で死ぬのかと思ったら、違かったのですね。勉強になりました。映像は豪華で、壮大な歴史絵巻を見せてもらったような気分です。戴冠式は、ダヴィッドの描いた絵、そのままの風景でした。戦闘シーンはすごい人数での戦いで、CGでもなさそうに見えました。多くのエキストラで撮影したのだろうか。お金がかかっている映画です。良かったけど、ちょっと長かったです。

★★★★☆ 4

ウォンカとチョコレート工場のはじまり2023/12/17



「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」TOHOシネマズ日比谷
純粋な心ときらめくイマジネーションを持ち、人々を幸せにするチョコレートを作り出すチョコ職人のウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)は、亡き母と約束した世界一の店を開くため、一流店が集まる町にやってきた。ウォンカのチョコは瞬く間に人気になるが、町を牛耳るチョコレート組合から疎まれる。騙されたり、足を引っ張られたりするが、出会った仲間と共に、奮闘する。
想像以上にミュージカルでした。見目麗しいティモシー・シャラメが、歌って踊ってくれるだけでも嬉しいです。美しくカラフルな映像でとても洗練されたファンタジックなミュージカルでした。ティム・バートン監督、ジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場の秘密」は、もっとクセが強いウォンカだったけど、若い時代は素直で夢を抱いてピュアなイメージでした。ローワン・アトキンソン(Mr.ビーンの)も出ていてビックリ。ウンパルンパ役のヒュー・グラントも良かったです。
心温まる良い話になっていて、楽しかったです。

★★★★☆ 4+

枯れ葉2023/12/08



「枯れ葉」 ユーロスペース
フィンランドのヘルシンキ。アンサ(アルマ・ポウスティ)は、理不尽な理由で仕事を失い、ホラッパ(ユッシ・パタネン)は、酒に溺れながら、どうにか工場現場で働いている。ある夜、カラオケバーで出会った2人は、惹かれ合う。しかし、名前も知らないまま、不運が重なり、すれ違ってしまう……。
久しぶりのアキ・カウリスマキ監督作品。カンヌ映画祭で審査員賞を取っていたので、新作があるのかと、待っていました。先行上映で観ました。いつものように、言葉が少ない映画でした。微妙な表情の変化で、気持ちが伝わってきます。常に労働者に寄り添っていて、ささやかな幸せを得られるかどうか見守っている気分です。ラジオを聴くと、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れていて、最近の撮影なのが、わかります。時代が昔のように感じる事もあれば、ニュースによって、現代な事がわかります。登場する犬が、おとなしくて可愛かったです。なんか、人間の言葉を理解しているのかなぁと思えます。クセのある音楽もいつも良いです。若い2人組の女性が無表情で歌っていた曲が気に入りました。

★★★★☆ 4+


上映後はトークショー、主演女優のアルマ・ポウスティさんと松重豊さんがゲストです。松重豊さんは、アキ・カウリスマキ監督の大ファンだそうです。アルマ・ポウスティさんは、「トーベ」でムーミンの作者トーベ・ヤンソン役を演じていました。可愛らしい人でした。監督の撮影技法など、興味深い話だったし、松重さんの熱心なトークが聞けて、良かったです。

屋根裏のラジャー2023/12/07



「屋根裏のラジャー」TOHOシネマズ錦糸町(試写会)
ラジャー(声:寺田心)は、アマンダ(声:鈴木梨央)の想像上の友達=イマジナリー。人間に忘れられると消えてしまう運命を背負っている。とある事故により、失意のラジャーがたどり着いたのは、忘れ去られたイマジナリーたちが、身を寄せ合って、消えないように努力しながら、暮らしている場所だった……。
人物が可愛いかったです。ラジャーを付け狙うミスター・バンディングとその手先のような怖い女の子。何なんでしょう。ちょっと説明不足なところもありました。ファンタジーの世界のようで、次々と風景が変わっていきました。感動もしたけど、ちょっと物足りない気もしました。

★★★☆☆ 3+

春の画SHUNGA2023/12/05



「春の画SHUNGA」 シネスイッチ銀座
歌麿や北斎など、名だたる浮世絵師が情熱を注いだ春画。単なるエロ画ではなく、江戸の風俗を映し出します。嫁入り道具になる場合もあったそうです。バラエティー豊かな春画を紹介しています。まだ謎も多い春画をいろいろな角度から、紐解いてくドキュメンタリーです。
有名な画家が、春画も描いているのは日本だけらしいです。大英博物館で春画展が開催されたり、昨今春画が見直されているのだそうです。影響を受けている現代画家や、デンマークの肉筆春画のコレクターも出てきて、珍しい春画がありました。ストーリーはないから、ちょっと眠くなりましたが、とても勉強になりました。R18+でした。

★★★☆☆ 3+

2023/12/04



「首」 TOHOシネマズ日比谷
信長(加瀬亮)に反旗を翻した家臣・荒木村重(遠藤憲一)、村重が姿をくらませて、羽柴秀吉(ビートたけし)や明智光秀(西島秀俊)らを集め、自分の跡目をちらつかせ、村重を捜索させる。秀吉は弟の秀長(大森南朋)と軍師・黒田官兵衛(浅野忠信)らと策を弄し、次第に本能寺の変につながっていく……。
天下取りを巡って、みんながみんな悪い奴ばかりでした。信長もひどい人で描かれていて、お国訛りが激しいですが、それも面白かったです。首を巡って血なまぐさい争いが続いていきます。たけし映画ではお馴染みな役者さんが多いです。アウトレイジのような男臭い映画なんだけど、途中出てくる紅一点の柴田理恵さんが、良かったです。そして、男色のシーンもあり、西島秀俊さんを、ちょっと「きのう何食べた?」と比較してしまっておかしかったです。

★★★★☆ 4