紙屋ふじさき記念館 ― 2025/02/28

「紙屋ふじさき記念館 結のアルバム」 ほしお さなえ 角川文庫
感染症の世界的大流行の影響で、記念館の閉館イベントは中止。百花もリモート環境下で卒論と就活に取り組むことになった。突如一変してしまった日常に戸惑いながらも、現実に精一杯向き合っていこうとする。藤崎産業の採用試験が始まり、「和紙」の意義とは何かを面接を通して、突きつけられる。館長の一成は、新記念館の再建のために動き出していた。
シリーズ第6弾。コロナ禍の話となって、この本は割と最近の出版だったのかと、知りました。息苦しかったこの時を思い出しました。今でも感染者はいるけど、不要不急の外出ができない、しにくい時、町から人がいなくなった状況とはかなり違います。主人公の百花と同じように、いつまでこの状況が続くのかわからない不安など、気持ちがわかります。大学4年なのに、授業は全てリモートになり、サークルに入って来た新入生は、実際には一度会えない。大学祭もなく、若い人たちは大変だったことでしょう。ちょっと息苦しさを感じた巻でしたが、健気に頑張る姿が見えました。
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