悪玉伝 ― 2024/12/06
「悪玉伝」 朝井 まかて 角川文庫
大坂の炭問屋の主・木津屋吉兵衛は風雅を愛する伊達男。放蕩の限りを尽していたところ、兄の訃報が舞い込む。生家の大店・辰巳屋に駆けつけた吉兵衛は、店を我が物にしようと企む大番頭の策略で相続争いに巻き込まれた。次第に泥沼化する訴訟は徳川吉宗や大岡越前守の耳に入る事態にまで発展する。吉兵衛は大坂商人の意地をかけた大勝負に挑むが……。
タイトルからして、悪い人の話かと思うとそうではなく、かと言ってすごい善人というのでもないです。腕っぷしもそれほどでもなさそうです。しかし、間違った事は許せず、身だしなみはきっちりとして、必要と思える事には、お金もかけます。一旦、落着された事が蒸し返されて、吉兵衛は江戸にまで連行され、投獄されます。しかし、正しい事を説き、事態を覆そうとします。牢獄が大変そうでしたが、果たしてどうなっていくのかとハラハラしました。司馬遼太郎賞受賞作です。
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