花屋さんが言うことには2024/11/16



「花屋さんが言うことには」 山本 幸久 ポプラ文庫
ブラック企業で身も心も疲れ果てていた紀久子が働き始めたのは、駅前の小さな花屋さん。花を求めるお客さんの事情はさまざま。楽しいだけではなく、切ない花もある。花を届けていくうちに、紀久子は、押し込めていた自分の夢にもう一度向き合い始める。
冒頭に主人公・紀久子がひどい会社を辞めようとしているのだが、本当にひどいブラック企業で驚きました。そんな時に出会ったのが、花屋の店主・季多さん。ちょっと豪快な女性でした。紀久子を救い出してくれて、初めの方から、この本、面白い!と思いました。花屋の同僚たちや、常連さんたち、花屋を中心にその周辺の人々の引きこもごも。先日観た映画「DOG DAYS」にも似た設定です。近所のお華の先生家族や、まだ幼いのに、すごく花に詳しい男の子など、アルバイトしながら、多くの出会いがありました。花言葉もたくさん出てきますが、古典からの言葉も勉強になります。すぐ忘れちゃうけど。面白くて、読み終わるのが、惜しい気がしました。