影法師 ― 2024/10/28
「影法師」 百田 尚樹 講談社文庫
頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老までに上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件、その真相とは。
この時代の身分制の不条理を感じつつ、高尚な考え、人間は今は減ってしまったように感じました。彦四郎の生き方には、驚嘆します。尊いけど、誰にも真似できないです。勘一は下級武士でありながら、たゆまぬ努力や、真面目な働きぶりで、運命が開かれていくのですが、逆に優秀な彦四郎は、不遇な待遇になっていきます。しかし、変わらぬ友情は続いていて、お互いを思いやってていたのだと思います。全ての謎が明らかになった時は、思わず涙が溢れ出す話でした。
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