幾世の鈴 あきない世傳金と銀 特別巻下2024/08/29



「幾世の鈴 あきない世傳金と銀 特別巻下」 髙田
郁 ハルキ文庫
明和九年「行人坂の大火」の後の五十鈴屋ゆかりのひとびとの物語。八代目店主周助の暖簾を巡る迷いと決断。江戸に留まり、小間物屋「菊栄」の店主として新たな流行りの生みだすべく精進する菊栄。姉への嫉妬や憎しみに囚われ続ける結が辿り着いた境地。還暦を迎えた幸が夫とともに、五十鈴屋の未来を考える。
どれも良い話で、気になる人たちのその後の事がわかって良かったです。上巻を読んで、結はどうなったのか、どういう心境なのか。他の人たちも、下巻を読んで満足しました。いろいろな事が巡り巡って、こういう事だったのかとか、タイトルはここから来ているのかと納得しました。
菊栄とは不思議な友情で結ばれているが、遠く離れてしまっても、文のやりとりもできて、お互いに頑張っているのが、伝わります。
奉公にあがった十代の頃から、壮年になるまで、幸の長い人生を読み進める事ができました。面白かったです。