秋霜 ― 2024/06/01

「秋霜」 葉室 麟 祥伝社文庫
一揆から三年、豊後羽根藩の欅屋敷で孤児を見守る女・楓の許に、謎の男・草薙小平太が訪れる。彼には楓の元夫で、大功を挙げた後、藩主の旧悪を難じ上意討ちに遭った前家老と因縁があった。幕府の巡見使がやって来る事になり、藩が隠蔽した旧悪を知る楓たちに魔の手が……。
葉室麟の羽根藩シリーズ全五巻のうち「蜩の記」「潮鳴り」を読んでいたけど1冊飛んで、この4冊目を読みました。とても良かったです。でもこの本と関わりが深い3冊目の「春雷」を読んだ方がよりわかりやすいように思いました。楓の元夫の事がわかる話だったようです。それでもこの本だけでも面白いです。元藩主から疎まれている楓たちは、常に狙われているのだけど、欅屋敷に暮らす人たちは、楓をはじめ皆、高潔です。その影響を受け、考えを改める人もいます。人を想う心が、人を動かしていくのに、感動しました。
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