ひなた商店街2024/05/08



「ひなた商店街」 山本 甲士 潮文庫
夢破れてアクション俳優を辞めた近江貴仁は、佐賀に帰省して親戚が営むおでん屋で働き始める。さびれた商店街で、更地にする計画もささやかれていた。そんな時、地元のテレビ局の食レボがあり、文具店に居候する女子大生の菜実にそそのかされた貴仁は、忍者装束で対応したところ、思いもよらずに評判が広がっていく。
「民宿ひなた屋」の作者で、表紙も似ていたけど、特に続編というわけではありませんでした。でも中年男性の主人公と若い女の子のコンビで、事態を改善していくというストーリーは似ていました。同じような話でも、面白いから、オッケーです。こちらの本もどうなるのだろうと、楽しく読めました。菜実が次々と奇抜なアイデアを打ち出していきます。現代的にSNSを駆使して、商店街は活気付いていきます。忍者や昔の流行ったものなど、昔の日本を楽しめるスポットでありながら、動画配信など、現代のツールを生かしていました。大人も子どもも行きたくなるような、ありそうでなかった商店街で、まだこれから広がっていきそうです。売れない役者やスタントをやっていた主人公は、むしろおでん屋になってからの方が注目されていくようでした。