風神雷神 Juppiter,Aeolus 上2023/03/05


風神雷神 Juppiter,Aeolus 上

「風神雷神 Juppiter.Aeolus 上」 原田 マハ・著 PHP文庫
京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画、天正遣欧使節団の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に書かれた「俵…屋…宗…達」の四文字だった―。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路…。天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!?アートに満ちた壮大な冒険物語。
俵屋宗達を研究している彩が主人公なのかと思ったら、上巻のはじめのところしか出てこなくて、時代がグッと飛んで、俵屋宗達の少年時代になります。風神雷神で有名な俵屋宗達ですが、謎多き画家です。そんな彼が生き生きと立ち上がって来て、とても面白いです。小さい頃から絵がものすごく上手い少年です。織田信長に出会い、狩野永徳に認められ、更に大海原に旅立って行く、まさに冒険ものです。江戸時代、外国に行くのが、どれほど大変か、想像するだけで、すごい事です。友情にも育まれているようで、これからが楽しみです。出てくる絵画も興味深いです。いつどんな風に風神雷神を描くのか、他にどんな絵を描くのか、期待して読み進めたいです。歴史の流れも絡んでくると思います。