若冲2023/02/03


若冲

「若冲」 澤田 瞳子・著 文春文庫
京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門―伊藤若冲は、妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁らとの交流、また当時の政治的背景から若冲の画業の秘密に迫る。
伊藤若冲に興味があるので、面白く読めました。出てくる絵が思い浮かんできます。亡き妻を弔うように絵を描き続けると言う設定ですが、確か若冲は結婚していないと言われていたから、創作が大きいのでしょう。でも実際はこの時代の事はわからないし、想像を膨らませて描いているのだと思います。たくさん画家も出てくるし、このへんは時代が一緒なのかと、知る事ができました。特に池大雅や、谷文晁。谷文晁の絵も、若冲のようにカラフルなイメージがあります。本当に交流があったのかも、わかりませんが、隠遁生活で、あまり人と接していない人として描かれていました。でも、心中は苦しく、ハッピーさは少なかったです。後世に残るすごい作品を描いても、穏やかには生きられないのでしょうか。この時代ではかなり長生きしています。84歳没。

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