ディーバ デジタルリマスター版2022/09/14



「ディーバ デジタルリマスター版」 角川シネマ有楽町
パリで暮らすオペラ好きの郵便配達員ジュール(フレデリック・アンドレイ)は、レコーディングを拒否し続けているアメリカ人ソプラノ歌手シンシア・ホーキンズのリサイタルを訪れ、高性能録音機で歌声を隠し録りする。翌日、娼婦が2人組の男に殺害される事件が発生。被害者は事件の直前、偶然通りかかったジュールのバイクのバッグに、闇組織の秘密を暴露したテープを隠していた。テープの行方を追う殺し屋と、シンシアの音源を狙う台湾人2人組からも追われる状況に陥ったジュールは、謎めいた男セルジュ(リシャール・ボーランジュ)とベトナム人少女アルバの助けを借りて逃亡するが……。
「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」などのヒット作を生んだフランスのジャン=ジャック・ベネックス監督が1981年に発表した長編第1作。
もともと大好きな映画ですが、デジタルリマスター版で公開するというので、観に行きました。昔観たのは多分深夜のテレビだったように思います。
その後、原作本も読みました。話はわかっているし、覚えていたことも多いですが、わかっていても面白かったです。ジュールはこっそり憧れのオペラ歌手の歌を録音し、それとは別に闇組織の秘密が吹きこまれたカセットを気がつかないうちに手にしてしまい、2つの事件が絡み合っていきます。謎の男とベトナム人少女が、ジュールの窮地を救うのですが、これがカッコイイのです。リシャール・ボーランジェ当時はいろいろな映画で観たけど、良かったです。監督のこだわりなのか、ディテールがとても凝っています。特に部屋です。主人公の部屋、セルジュたちの部屋、隠れ家など、特に隠れ家が印象的で、もう一度観たかったのです。アルバも個性的な女の子でした。恋愛映画というほど甘ったるくないし、不思議な人間関係です。好きなシーンをあげるといっぱいあるけど、チラシやポスターになっているシンシアとジュールが人が少ない街中を歩いていて、その後ベンチへ座るところが良いです。バイクによるチェイスも、ガタゴトと映像が動いて、迫力あります。今、観ると粗削りなところが目立つけど、そこがまた良いのです。その後、ジャン・ジャック・ベネックス監督作品を観ていくけど、結局「ディーバ」が一番好きです。次が「ベティ・ブルー」かな。
ピーター・バラカンさんが監修する音楽映画祭『Peter Barakan's Music Film Festival 2022』で観ましたが、9月16日から別の映画館で公開されます。

★★★★☆ 4+

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