蜜蜂と遠雷 下2022/07/11



「蜜蜂と遠雷 下」 恩田 陸・著 幻冬舎文庫
2次予選での課題曲「春と修羅」。この現代 曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの 分かれ道だった。マサルの演奏は素晴らしか った。が、明石は自分の「春と修羅」に自信 を持ち、勝算を感じていた……。12人が残る 3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない 本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進む のは誰か。そして優勝を手にするのは……。
主人公が1人ではなく、主に4人のコンテスタントが中心です。コンクールに関わる人が大勢います。審査員、調律師、ステージマネージャ、オーケストラとも共演します。上巻から最後までコンテストを濃く描いていました。コンクールを最後まで勝ち抜くには、たくさんの曲を準備しないとならないし、特に女性はドレスを用意、最後まで行かなければ、着ないドレスもあります。もちろんピアノをたくさん練習しても、勝ち残らない場合は、披露できないのです。当たり前だけど、大変な世界です。それぞれの思いを胸に、長い戦いに挑んでいきます。読み応えがあって、面白かったです。