七十歳死亡法案、可決2022/06/12


七十歳死亡法案、可決

七十歳死亡法案、可決」 垣谷 美雨・著 幻冬文庫
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まで二年、宝田東洋子は喜びを噛み締めていた。義母の介護に追われた十五年間。能天気な夫、引きこもりの息子、無関心な娘とみな勝手ばかり。やっとお義母さんが死んでくれる。東洋子の心に黒いさざ波が立ち始めて…。
衝撃的な法案です。なんだか怖い話なのかと思ったらそうでもなく、終始おかしさもありました。でも、考えさせられます。もちろんこんな法案は反対ですけど、昔は姥捨て山なんてこともありました。
中心となるのは50代主婦、嫁姑問題や、引きこもりというかニートの息子、いろいろと問題を抱えています。主人公の気持ちになると、大変なのに、誰も味方がいない状態です。身勝手な夫の考え方や、夫の姉妹たちもなんでしょう。ムカつきます。娘も冷たい気もするけど、気持ちは一番理解できるかもしれません。
義母は、我儘すぎでした。八方ふさがりになって、やっと行動を起こすのです。法案のせいで、いろいろな考えが噴出してきます。面白くて、どんどん読めました。