林檎とポラロイド ― 2022/03/18

「林檎とポラロイド」 ヒューマントラストシネマ有楽町
主人公(アリス・セルベタリス)は、ある日突然記憶を失う。記憶喪失者が増えている世界。治療のための回復プログラム「新しい自分」に参加する。彼は毎日送られてくるカセットテープに吹き込まれた内容をもとに、自転車に乗る、仮装パーティで友だちをつくる、ホラー映画を観るなど様々なミッションをこなしていく。そんな中、男は同じく回復プログラムに参加する女と出会い、親しくなっていく。男が新しい日常に慣れてきた頃、彼はそれまで忘れていた、以前住んでいた番地をふと口にする。新しい思い出を作るためのミッションによって、男の過去が徐々にひも解かれていくが……。
ギリシャの新鋭クリストス・ニク監督が長編初メガホンを取った映画なので、多分ギリシャが舞台なのかな。記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延する世界を描いているけど、未来ものという感じはしないです。むしろ、カセットテープやポラロイドカメラなど、ちょっと懐古趣味です。「新しい自分」プログラムは、どういう基準なのか、ちょっとヘンな事を指示して、写真を撮っておくようにと言われています。主人公の行動は謎が多いですが、その理由が最後の方にわかってきます。記憶喪失が、何か事件が関係しているのか、勝手に想像していると、そんな犯罪ものではなく、ユーモアもある不可思議な味わいの映画でした。でも、どうするのかと次々と気になるし、引き込まれて観ました。とっても面白かったです。私はお気に入りになりました。
★★★★☆ 4+
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