夜明けの星2022/02/16



「夜明けの星」 池波 正太郎・著 文春文庫
越後の国を出て16年、江戸の町で父の仇敵を探し続ける浪人・堀辰蔵。飢えて疲れきった辰蔵はある日ささいなことで逆上し、見知らぬ煙管師を斬りつけて殺してしまう。父と仲良くふたり暮しだった煙管師の娘・お道は、これで天涯孤独の身となった。近隣の人々に見守られ、気丈に生きていくお道と、仇討ち転じて闇の世界の仕掛人となった辰蔵の半生。折にふれ、お道と辰蔵の運命は奇妙にもつれ合っていく。
表紙からすると、ほっこりする話かと思ったら、そうでもなかったです。殺しを請け負う仕掛人になった辰蔵と、必死に働いて、自分の人生を切り開いていくお道の様子が、順に語られていきます。
辰蔵の方は、壮絶でしたが、もともとは悪い人とは思えず、お道にすまないという気持ちを抱いています。お道にとっては、父を殺した人はわからないのです。2人がどのように関係していくのかと思いつつ、なかなか会う機会が少ないまま何年も過ぎていきます。お道は商家の下働きの女中になりますが、厳しい女将さんのもとで、頑張ります。ちょっと「あきない世傳金と銀」(髙田郁)を思わせました。親がいなくても、実家のように接してくれる人たちもいて、お道には心強いと思いました。仕事が辛かったら、いつでも帰ってきて良いと言われていました。
ほっこり系ではなかったけど、不思議な縁の2人を描いていて、とても面白かったです。

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