火の華 橋廻り同心・平七郎控22022/01/14


火の華

「火の華 橋廻り同心・平七郎控2」 藤原 緋沙子・著 祥伝社文庫
生き別れになった母への切ない慕情。都落ちし、再起を誓った男女を襲う悲劇。殺された許嫁の仇を狙う男と、その男をひたむきに想い続ける娘の純情。
稲荷橋、なさぬ仲の父と子の絆を結ぶ…。江戸の百二十余橋を預かる橋廻り同心・立花平七郎が、剣と人情をもって悪を裁く、シリーズ第2弾。
藤原緋沙子の本は隅田川御用帳シリーズ以来ですが、短編連作で似ています。でも、こっちのシリーズの主人公の方が魅力的な気がします。情に熱く、剣の腕も立ちます。そこは同じでもありますが、閉職の役割ながら、出しゃばらず、自分の時間を割いています。まわりの協力もかなりあります。特に同僚の秀太がいるから、本来の仕事をまかせて、自分は探索に行ったりしています。平七郎と仕事がしたい船頭もいるし、読売屋のおこうと手代も協力して情報が集まってきます。
哀しい結末もありますが、感動も多い話でした。