日の名残り 隅田川御用帳142021/08/20



「日の名残り 隅田川御用帳14」 藤原 緋沙子・著 光文社文庫
駆け込み寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、大店の薬種問屋・小国屋の内儀おきくが駆けこんできた。橘屋用心棒の塙十四郎が事情を調べると、お金と引き換えに嫁いだおきくは、亭主の卯之助に商売の手段に使われていたことがわかる。そして、おきくの身に危険が迫る……。
なかなか十四郎とお登勢に進展がなかったけど、この本では、お登勢に気持ちを打ち明けるシーンがありました。現代でいればかなり控え目ですが、少しは先に進みそうです。
橘屋の番頭の藤七は、次世代の若手を育て初めていました。人手も必要なのだろうけど、先の世代交代を見据えているのかもしれません。
この文庫には「あとがき」があって、他の巻にはなかったように思います。作者の藤原緋沙子はこのシリーズの1巻目がデビュー作です。それは知っていましたが、この14巻の頃は、作家デビューして15年目に書いているのようです。確かに長いからそうなるのでしょうが、文体などは変化を感じないままに読んできました。1冊目から作風が出来上がっていると思います。

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