時雨ごこち 紋ちらしのお玉2018/11/30


時雨ごこち

「時雨ごこち 紋ちらしのお玉」 河治 和香・著 角川文庫
シリーズ第3弾で完結。柳橋芸者のお玉は、名だたる大名たちから贔屓にされる売れっ子だが、裏の稼業があった。男に抱かれては、その相手の家紋を刺青にして体に彫る。男たちの思い出を体に刻み、それを千個集める“千人信心”の願をかけて。
幕末で、多くの人が亡くなっていき、時代が大きく変わろる頃の話です。幕末に活躍する有名人がいろいろ出てきました。たくさん出てくるので、誰が誰だったかよくわからなくなってきました。柳橋で遊ぶ人たちも変わってきています。
“千人信心”というのが、本当にあったのか、このシリーズを読むまでは知らない言葉でした。タイトルの“時雨ごこち”は、時雨が降りそうな空模様や、涙が出そうな気持ちという意味だそうです。
やっと最後が読めて良かったと思いました。でもこの作家なら「国芳一門浮世絵草紙」シリーズの方が好きです。