エヴェレスト 神々の山嶺2018/09/28


エヴェレスト 神々の山嶺

「エヴェレスト 神々の山嶺」 夢枕 獏・著 角川文庫
1924年、世界初のエヴェレスト登頂を目指し、頂上付近で姿を消した登山家のジョージ・マロリー。そのマロリーのものと思しき古いコダックを手に入れた写真家の深町誠だが、何者かにカメラを盗まれる。行方を追ううち、深町は孤高の登山家・羽生丈二に出会う。羽生のことを調べていくうちに、強烈に興味を持つ深町だったが、自身の山への情熱を呼び起こされていく。羽生が狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未到の冬期無酸素単独登攀だった。
男が男に惹きつけられて、遠い頂まで、ついて行きたくなるという話。先に映画を見ていたので、どうも役者さんの顔が思い浮かんでしまいました。大きい流れが映画と同じでしたが、もっと詳しい心の動きがわかります。映画より良かったです。
ネパールの首都カトマンドゥの街の空気感が伝わってきます。ネパールという国がどんな国か、観光資源としてのエヴェレスト、シェルパの命がけの仕事などがうかがえます。
後半になると、登山の難しさや苦しさが感じられて息がつまりそうです。酸素の少ない状況が、思考を衰えさせ、幻聴や幻覚を見せたりするのだなぁと思いました。

コメント

トラックバック