まんがら茂平次 ― 2018/05/24

「まんがら茂平次」 北原 亞以子・著 新潮文庫
江戸は神田鍛冶町裏長屋。口からでまかせばかりで世を渡る茂平次。千に三つの真実がせんみつなら、万のことを言っても本当のことはひとつもないという「まんがら」が茂平次のニックネーム。幕末維新の激動期、茂平次の周囲はあわただしい。まんがらで困った男と思いきや、困った時は茂平次の嘘で、なんとかしようと人から頼りにされている……。
北原亞以子の本は、まだ読んだことがなかったので、初めてです。茂平次は、あまり働かないし、魅力的な人物とはいえないけど、愛嬌があって憎めない人物です。知り合いの人は、嘘とわかって安心して聞いていられるのです。子どもの時に親を亡くし、嘘を語りながら、世渡りしてきたせいか、嘘が上手になっています。怠け者だけど、おひとよしで、結果的には人助けをしています。
12編の連作長編で読みやすかったです。
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