玄冶店の女2017/12/31

玄冶店の女
「玄冶店の女」 宇江佐 真理・著 幻冬舎文庫
日本橋の玄冶店(げんやだな)と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁で29歳。まもなく身請けされた旦那とは縁が切れてしまう。近所の、芸妓屋の娘で8歳の小梅を妹や娘のように可愛がっていて、よく家を訪ねてくる。小梅の通う手習い所の師範・青木と出会い、惹かれあうようになるのだが、お武家と年上で花魁あがりの自分では、身分違いと思っている……。
お玉と同じ玄冶店に住み、ご隠居さんの世話を受けているお花や、小梅の三味線の師匠できっぷのいいお喜代など、仲がよくて助け合っている女友達の話や、お玉のところで働いているおまさなど、女たちが中心になった話でした。なんといってもお玉の性格が魅力的です。思いやりがあって、けなげに生きていますが、芯の通った人です。皆が慕ってくるのがよくわかります。
現代は不倫や愛人というと目の敵にされますが、この時代のお妾さんたちは、旦那様の家族にも敬意を払われていたりすることもあるように感じました。女たちも、自分の力で生活していくことが難しい時代で、やむにやまれずにお世話になっていることもあるようです。