五郎治殿御始末2017/11/09

五郎治殿御始末
「五郎治殿御始末」 浅田 次郎・著 中公文庫
幕末維新の激動を生き抜いた武士像を描く時代短篇集。
映画化された「柘榴坂の仇討」も収録。
桜田門外の変から13年。御駕籠回り近習として主君・井伊直弼を守ることができなかった志村金吾は、 明治維新を経た後も、ひたすら仇を探し続けてきた。ついに見つけた刺客の生き残りは、直吉と名を変え、俥引きに身をやつしていた。仇討禁止令が布告されたその日、雪の降り積もる高輪の柘榴坂で、 二人の男の運命が交錯する。
短編集なのに、一つの話を一気に読めない場合もあって、登場人物がどんな人だったかを、すぐに思い出せず、また前の方から読み直したりしました。幕末維新で、武士の時代が終わってしまうことにとまどい、考え方を変えなければ生きていけない男達の物語でした。映画になった「柘榴坂の仇討」は見ていません。映画にするには短い話だけど、「鉄道員(ぽっぽや)」や「ラブ・レター」なども、短編から映画にしているから、それなりの長さになっているのでしょうね。