桜ほうさら 上・下2017/07/05



「桜ほうさら 上」 宮部 みゆき・著 PHP文芸文庫


「桜ほうさら 下」 宮部 みゆき・著 PHP文芸文庫
22歳の古橋笙之介。上総国搗根(とうがね)藩で小納戸役の古橋家次男坊。
大好きだった父が濡れ衣着せられて自刃。兄が蟄居の身となり、笙之助は、江戸・深川へやって来た。富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘めている。
仕事を依頼していくれる貸本屋・治兵衛、長屋の人々、淡い恋、ミステリアスな出来事に遭遇したりしながらも、父の事件の真相に近づいていく。

腕っぷしは弱いけど、字や絵がうまく、心の優しい主人公でした。謎解きもあり、心温まる、長屋の人を始め、周囲の人々とのふれあいもありました。この時代の人々の暮らしぶりがわかります。
甲州の言葉で“ささらほうさら”というのがあって、あれこれいろいろあって大変だっていう時に使うのだそうです。それをもじって、桜に縁があるから、このタイトルがついているようです。この本の中で桜は、たびたび登場します。
最初はすすまなかったけど、後半に向けて、どんどん面白くなりました。