マンチェスター・バイ・ザ・シー2017/05/16

マンチェスター・バイ・ザ・シー
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 シネスイッチ銀座
アメリカ、ボストン郊外で便利屋をしているリー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を任されるが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。
現在と過去の回想シーンがまざって、少しずつ何故リーが孤独の淵に立っているかが、わかってきます。かつては甥っ子のパトリックのように、活発だった時期があったのでしょう。深い悲しみや自責の念が、彼を苦しめているのがわかります。リーとパトリックは反発するところはあっても、同じく大切な人を失ったばかり。少しづつ寄り添っていきます。それは、ハッキリした行動や言葉では語られないですが、静かに伝わってくるのです。海、ボート、港、カモメ、雪の街並、風景がとても美しかったです。ただ泣かせるだけじゃなく、心に沁みる映画です。ミシェル・ウィリアムズも良かったです。ケイシー・アフレックのアカデミー賞主演男優賞も納得です。

★★★★☆ 4+

神去なあなあ夜話2017/05/16

神去なあなあ夜話
「神去なあなあ夜話」 三浦 しをん・著 徳間文庫
神去村の林業の現場に放りこまれて一年が経った主人公・平野勇気20歳。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業も好きになっていた。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、好きな人とのドライブ。
「WOOD JOB!(ウッジョブ)」というタイトルで映画にもなった「神去なあなあ日常」の続編。慣れない林業の仕事で、四苦八苦していた勇気も成長し、今では一人前に近い働きができるようになってきたようです。好きだった直紀さんとはどうなったのかと、気になっていました。携帯電話の電波も届かないような田舎だけど、すばらしい自然があり、村独特の慣習や暮らしがあります。なによりも勇気が、村や仕事やお世話になっている人々を好きなのが伝わってきて、良かったです。