冬姫2016/08/29

冬姫
「冬姫」 葉室 麟・著 集英社文庫
織田信長の二女、冬。父の命により蒲生氏郷のもとへ嫁ぎ、想いを交わしあう。しかし、信長の周囲の女たちからは、目の敵されることもある。父への敬慕の念と、夫へのひたむきな愛情を胸に、乱世に翻弄されながら、運命を切り開いていく。
冬姫は美しくて、崇高な人物。母を知らずに育つが、愛情をそそいでくれた乳母や、家臣に恵まれる。嫉妬による女同士の争いにも巻き込まれ、夫の命が狙われる。
信長が討たれた後も、権力をめぐる男の戦いがあるが、それを操作しているのが、側室だったりして、女の戦いが恐ろしいです。
日本史ではお馴染みの人物が次々と登場し、歴史の裏にはこういうこともあるのだなと思えました。人物の描き方は作者によって違うでしょうし、実際にあったことかどうかはわかりませんが、歴史の流れは忠実に描かれているようです。