小暮写眞館2016/07/31

小暮写眞館
「小暮写眞館 上・下」 宮部 みゆき・著 講談社文庫
家族(両親と弟)とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。写眞館のままにしている外観から、昔その店でプリントしたという奇妙な写真が持ち込まれた。女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。その写真の謎を解こうと、英一は調査を始めると意外な事実がわかる…。
4つの話に分かれている連作形式。ちょっと変わった両親や、かわいい弟、友人関係が魅力的で、スラスラと読めて、面白かったです。心霊写真に関する話だけど、怖いわけではなく、心に残る話でした。
この表紙の写真、美しいですね。千葉の小湊鉄道ですよね。内容にも関係があるし、菜の花の名所で有名です。
このところあさのあつこの「バッテリー」を読んでいるので、「バッテリー」の主人公にも、弟がいてかわいらしいのだけど、兄の弟に接する態度がちょっと違います。弟のことを大切に思っているのは共通なのだろうけど、「小暮写眞館」の方がホッとして読むことができます。