雪とけ柳 着物始末暦四2016/07/16

雪とけ柳
「雪とけ柳 着物始末暦四」 中島 要・著 ハルキ文庫
京の老舗で、江戸の町に進出してきた呉服問屋・井筒屋では、配られている引き札5枚集めたら、高価な絹のしごきが貰えるということで、女性たちは夢中になる。しかし、配ったしごきの色で美人番付をしているという噂もたち始めた。それだけじゃなく、井筒屋には陰謀があった。
着物の始末屋・余一が、一膳飯屋のお糸と共にその真相に迫る…。
井筒屋をめぐるいただけない話が多い。
短編連作でシリーズ第4弾。登場人物が少しずつ増えてきました。井筒屋は、余一と関わりがありそうだけど、まだ謎です。タイトルの雪とけ柳は、柳に雪が積もった文様の着物をめぐり、前にも出てきた踊りのお師匠さんの過去に関わる話で、良かったです。着物に詳しくないので“しごき”って何と思ったけど、検索したらすぐにわかりました。着物の模様も文章で表現すると難しいですが、いろいろ想像して楽しんでいます。
この本は、終わり方は良い方向になったとほのめかすけど、わかりやすいハッピーなシーンはあま描かれていないです。そんな奥ゆかしさも魅力です。