夢かさね 着物始末暦32016/07/09

夢かさね 着物始末暦3
「夢かさね 着物始末暦3」 中島 要・著 ハルキ文庫
柳原の床店で、古着屋を営む六助のもとへ、着物の買取りを依頼してきた男がいた。傷みのない新しい袷なのに、いくらでもいいからというが、何か後ろ暗い事情がある予感がして問い詰めると、無理やりその着物を押し付けて、逃げ出してしまった。その持ち主を探るため、着物始末屋・余一に協力を頼む…。
シリーズ第3弾。他にも一膳飯屋の娘・お糸の知り合った少年の話や、お糸の幼なじみが仕えるお嬢様にまつわる話など、無愛想だけど腕の良い職人・余一が染み抜きをして着物を美しくよみがえさせるように、心のわだかまりも取り除いていく話。着物が好きな人にオススメです。シリーズはまだ続くので、頑なな余一に関して謎が残るものの、人間関係に広がりが出てきて、それぞれの性格がわかってきました。