ディーパンの闘い2016/01/28

ディーパンの闘い
「ディーパンの闘い」 ユーロライブ(試写会)
内戦下のスリランカを逃れて、フランスに入国するために、家族を装う元兵士ディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)、ヤリニ(カレアスワリ・スリニバサン)と9歳の少女・イラヤル。パリ郊外の団地に腰を落ち着け、ディーパンは団地の管理人の仕事を得る。ささやかながら、幸せを手に入れようとしていた矢先、新たな暴力が襲いかかる…。
タイトルから想像する通り、ディーパンが自分たちの平和を得るために、闘う話なのだろうなぁと思っていたけど、なかなかのバイオレンスでした。このディーパンの顔が濃いです。普通の俳優さんにはない深みがあります。実際にスリランカ内戦の元兵士だったのだそうです。役の中でもPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状が出ることもあります。平穏に暮らそうとして、自分を律しています。スリランカの内戦のこともよく知りませんでした。人種や移民問題に揺れるヨーロッパ社会、フランスの抱える問題が浮き彫りになっています。
もっと書きたいことがあるけど、ネタバレになりそうなので、やめておきます。予想とは違う方向へ流れていくような話でした。ラストも私には意外でした。
フランス映画で、監督は「君と歩く世界」などのジャック・オーディアール。この作品はカンヌ映画祭でパルムドールを受賞。審査委員長だったコーエン兄弟が絶賛しています。

★★★★☆ 4

公式サイト
  ↓
http://www.dheepan-movie.com/

「ディーパンの闘い」トークイベント2016/01/28

「ディーパンの闘い」上映後のトークイベント。山下敦弘監督と松江哲明監督による、この映画に対する考察。2人のご意見を聞き、納得できました。解釈の仕方はいろいろできると内容だった。特に結末については、見る人によって印象が違うかも。