花宴2015/08/11

花宴
「花宴(はなうたげ)」 あさの あつこ・著 朝日文庫
嵯浪藩・西野家の一人娘・紀江は小太刀の名手。藤倉勝之進を婿に迎えるが、かつて思いを寄せていた三和十之介への募る思いを消し去ることはできなかった。妻となり、母となった紀江に不幸が襲い、やがて藩内にうごめく陰謀に家族が巻き込まれていたことを知る…。
女であるのに、小太刀の腕が、男をしのぐほどに強いのが、かっこよかったです。しとやかな娘が、いざ戦うとそこらへんの剣士には負けないわけです。しかし、かっこよく気持ち良いという話ではないのです。恋愛小説として、奥が深いのです。そして、父と母の教えが何度となく紀江を助けているのがわかります。全てが大切な伏線だったことが最後にわかりました。近頃読んだあさのあつこさんの時代小説の中で、私は一番のお気に入りです。