この国の空2015/07/18

この国の空
「この国の空」 ニッショーホール(試写会)
昭和20年。東京・杉並の住宅で19歳の里子(二階堂ふみ)は、度重なる空襲におびえながら母(工藤夕貴)と暮らしていた。隣家には妻子を疎開させた市毛(長谷川博己)が住んでおり、里子は彼の身の回りのことを手伝っている。戦況が悪化していくと、里子は愛を知らぬまま死ぬのだろうかと不安になる。
戦争のことを描いてはいますが、殺し合いのようなものは出てきません。戦争時の市井の人の暮らしぶりが、描かれています。食べるシーンが多く、今にしてはささやかな食事なのかもしれないですが、とてもおいしそうに見えます。里子の母は変わっていて、普通の母娘関係とは違い、里子を戒めているのか、そそのかしているのか、どういう気持ちなのか不明です。焼け出された母の姉(富田靖子)も同居するようになり、戦時中ゆえに、もめたりします。
セリフが昔風で、昔の小説を読んでいるような気分になります。文学的な作品でした。
長谷川博己さんは、近頃はコミカルなイメージが私には強くなっています。だから、ちょっと違和感があるかもしれません。
単調ではあるけど飽きないし、少女が女性として成長していくところを見ています。昭和20年代の生活の様子も興味深かったです。

★★★☆☆ 3+